工事前に近隣家屋調査はやったほうがいい?施主目線でわかりやすく解説します

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建物基礎知識

解体工事の見積を取ってみると近隣家屋調査費として、金額が計上されていることがあります。

意外と大きな金額なので目に付きますよね。

家屋調査とは工事による近隣家屋への影響の有無を確認する調査です。

家屋調査に関する疑問
●解体の見積に家屋調査費と入っているけど何?
●家屋調査はお金払ってでもやった方がいいのかな?
●家屋調査の相場はどれくらい?
●近隣に影響があったらどうなるの?

施主とすると家屋調査の必要性はわかりますが、行うかどうかは任意とされると判断が難しいですよね。

そこで、施主の立場で家屋調査についてわかりやすく解説します!

家屋調査とは?

家屋調査とは工事業者が第三者である調査会社に依頼して、近隣家屋への影響の有無を確認するものです。

当事者である工事業者が調査しても信憑性がないので専門の調査機関に依頼します。

施主としてよくわからないのでお任せではなく、家屋調査の目的ややり方を理解してから進めるようにしましょう。

家屋調査の目的

家屋調査は工事前に写真撮影や計測を行い、工事完了後に比較できるような資料を作成することが目的となります。

亀裂などの損傷が工事前からあったかどうか、拡大や発生がしてないかは工事前に記録しておかないとわからないんですね。

工事を行うと大きく分けて3つの影響の可能性が考えられます。

工事による影響の種類
  • 沈下による影響・・掘削による沈下・傾斜
  • 振動による影響・・重機やダンプの振動
  • 物理的な影響・・重機や車両の接触

特に解体工事の振動は大きいので影響が出やすいといわれています。

下水工事や河川工事などの公共工事においても、家屋調査は行われています。

家屋調査って一般的に行われてるんですね。

近隣家屋調査と土地家屋調査

家屋調査というと土地家屋調査士が思い浮かびますが、工事に伴う家屋調査とは異なります。

土地家屋調査士は敷地境界などに関する法務に関する資格で、近隣家屋調査は第三者機関となる家屋調査専門会社に委託することになります。

その他の家屋調査の呼び方
建物調査・近隣家屋調査・工事前調査・補償コンサルタントなど

家屋調査といってもいろんな言い方があってまぎらわしいですね。

補償コンサルタントの登録」という資格を持っている会社が第三者機関として、家屋調査を行うことが一般的となっています。

土地家屋調査士とはまったく別物なんですね。

家屋調査のやり方

家屋調査は一般的に下記のような調査を行います。

家屋調査のやり方
  • 建物全景
  • 外壁の亀裂、浮き、はらみなど
  • 内壁の亀裂、隙間、浮き、はがれ、漏水跡など
  • タイルの亀裂、破損など
  • 内壁の亀裂・すき間など
  • 柱・壁などの傾斜測定
  • 建具などの開閉確認
  • 外構(塀・土間・門扉など)などの損傷状態
  • 基礎などの水準測量(レベル)など

普通の戸建住宅で2~3時間程度の調査時間がかかります。

外壁のクラック

亀裂などの損傷があれば、幅や長さを測定して写真撮影を行います。

損傷を写真で記録しておくことで工事後に比較して損傷の拡大を確認することができます。

ビデオじゃなくていまだに写真撮影してるんですね。

家屋調査はやったほうがいい?

解体工事の見積をもらうと家屋調査費は任意となっていることがあります。

行うかどうかを施主に委ねられることもあるんですね。

家屋調査はやったほうがいいのでしょうか?

家屋調査を行うとすればどの程度行ったほうがよいのでしょうか?

僕は最低限の範囲で行うことにしました。

トラブルを避けるために最低限やったほうがいい!

結論:家屋調査はトラブルを避けるために、最低限やっておいた方がよいでしょう。

まったく比較する資料がないと、近隣住民さんとトラブルになる可能性があります。

建物が傾いた・外壁に亀裂が入った」などともし申し出されたときに、工事前の状態がわからなければ、大きな補償問題にもなりかねません。

家屋調査を行わなかったことで、実際に施主側が泣き寝入りして補修費用を負担する事例も少なくありません。

また、建物の建替であれば今後も長く近隣住民さんとは付き合うことになります。

ここで家屋調査費用をケチってしまうことで、近隣住民さんとの関係が崩れてしまうことにもリスクがあります。

家屋調査を行う範囲

家屋調査を行う範囲は工事概要によって異なります。

木造解体程度であれば、期間も短く振動も小さいので行わない場合も多いのが実情です。

しかし、鉄骨造・RC造の解体工事や掘削を伴う基礎工事が必要な場合には、一定の範囲で家屋調査を行ったほうがよいでしょう。

一般的に沈下による影響範囲は掘削深度の45度程度といわれています。

公共工事の場合は振動や工事概要を加味して、30m程度までの範囲で設定されることが多いようです。

調査範囲について決まりはありませんが。最低限建物に隣接している範囲については検討すべきといえます。

工事業者や専門の調査会社の意見を参考に範囲を設定するようにしましょう。

家屋調査の相場

家屋調査の相場は大きさによって異なりますが、工事前調査1軒当たり35,000円程度~となっているようです。(工事後調査を行う場合は同額)

対象が1~2軒程度と軒数が少なければここから割り増しされます。

家屋調査費で儲けようという工事業者もいるので、相場は把握しておいた方が無難ですね。

5件50万だったらぼったくりかも!?

工事業者からの見積を見て、家屋調査費用が妥当かどうかも確認したほうがよいでしょう。

家屋調査で影響が確認されたらどうなる?

万が一、家屋調査で工事による影響が確認されたらどのようにしたらよいでしょうか?

施主として必要なことを理解しておきましょう。

契約時に工事業者と取り決めておこう

家屋調査で影響が確認された場合どうするかは、工事業者と契約時に取り決めておきましょう。

不利な契約をさせられることがあるから要注意です!

工事業者は相手が素人だとわかると自分たちが有利になるような契約をしてくる可能性があります。

不利な契約内容の例
●影響が確認された場合施主と対象住民で協議する
●補修費用は施主で負担する(工事業者は負担しない)

工事による瑕疵がある場合もありますので、すべて施主の負担となるような契約になっていないか確認することが大切です。

工事業者で費用負担する場合

家屋調査で影響が確認された場合、一般的には工事業者が近隣住民と話し合い、補修工事などの対応を行います。

基本的には工事業者の見積には近隣対策費として必要な費用は見込んであります。

明らかに重機をぶつけた場合などは当然工事業者が責任を負いますし、振動による影響が出た場合も施工業者が責任を負います。

どれだけ振動を抑える重機を使って気を付けて施工をしても、振動をゼロにすることは不可能です。

振動によって工事影響が発生してしまった場合の補償は、施主と工事業者どちらが負担するか難しいところですが、近隣対策費として見込んだ中で工事業者に対応してもらえるような契約にしておくとよいでしょう。

施主で費用負担する場合

家屋調査を含め近隣対策費として見込んだ中で、基本的には工事業者に近隣対応を含めて行ってもらいます。

しかしながら、工事業者も予期できない問題が起きたときには、施主が責任を負わなければならない場合もあります。

十分な対策をしていたにもかかわらず、地震や台風などの災害により近隣家屋に損害を与えてしまった場合などは協議の必要があります。

工事業者との話し合いとなりますが、工事前の契約段階で詳細まで詰めておきましょう。

まとめ:家屋調査は最低限行ったほうがいい!

解体工事の見積で家屋調査として見積されていることがありますが、基本的には工事会社と打ち合わせして最低限の範囲はおこなったほうがよいでしょう。

工事前から損傷があったかどうかは、事前に調査を行っていないと判別できません。

近隣住民さんとのトラブルにならないことが一番ですし、工事が始まってからでは遅いので、ケチらずに行っておいた方が賢明です。

家屋調査で影響があった場合の取決めも、工事業者と契約前に打ち合わせておくようにしましょう!

 

 

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